「言霊(ことだま)」とは?

私たちが、普段何気なく使っている「言葉」。その「言葉」にも魂が宿っている、という古くからの考えがあることをご存知ですか?
言霊(ことだま)
古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力。発した言葉どおりの結果を表す力があるとされた。
goo辞書より引用
『それって、昔の話じゃないの?』『科学的根拠はあるの?』って思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも、例えばこんなことがあります。
モラルハラスメントの特徴の一つである【言葉の暴力】は、それを日常的に相手に浴びせることによって、相手は相当な精神的ダメージを受けます。
近年問題になっているSNSでの誹謗中傷も、多くの心無い言葉によって、自殺者が出てしまうほどの力を持っています。
もちろん、悪いことばかりではなく、良いことも。
例えばスポーツの試合前など。不安な気持ちに駆られる選手たちが、ネガティブな気持ちを払拭するかのようにポジティブな言葉を掛け合い、気持ちを昂らせる場面はよく見かけますよね。
自分一人でも、大事な場面の前には、深呼吸をしながら「大丈夫、大丈夫」と念仏のように唱えていると、自然と気持ちが落ち着いてくることだってあります。
このように言葉の使い方一つで、事態は良くもなり、悪くもなります。
せっかく言葉というツール(道具)を等しく与えられているのならば、良い方に使っていきたいと思いませんか?
身近な人にこそ「ありがとう」を伝える

「ありがとう」という言葉に関して、「ありがとうは幸運を引き寄せる言葉」や「ありがとうを言い続けると奇跡が起こる」というような話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
『奇跡だなんて、そんな大それたこと起こるのかな?』と思うかもしれません。
すぐに奇跡が起きなくても、「ありがとう」という気持ちを相手に伝えるだけで、自分の心に余裕が生まれ、優しい気持ちになれます。もちろん言われた方も、自分の存在意義を認めてもらえてとっても嬉しいはず。
家族、夫婦間では、【家の仕事はやってあたり前】【家事分担は当然のこと】なのかもしれませんが、そんなあたり前のことに「ありがとう」と言ってみる。
そして「ありがとう」を言い続けていると、良い連鎖が生まれ、自分にもたくさん「ありがとう」が返ってくるようになります。
ただ、あまり連呼しすぎると「ただ言ってるだけ」「うざったい」と思われかねないので、ご注意を。
夫婦だって、言葉にしなきゃわからない!

日本には、昔から「阿吽(あうん)の呼吸」や「空気を読む」という文化があります。言葉を掛けあわなくても、まるでお互いの気持ちを読み取るように行動している様を美徳とし、得意としてきました。
長年連れ添った夫婦の、言わずともお互いのことがわかる、という関係性は素晴らしいと思いますが、果たして本当にわかっているのでしょうか?
少し冷たい言いようですが、夫婦も所詮は他人。エスパーでない限り、腹の中まではわからないと思います。そして「相手は自分の気持ちがわかっているはず」という思い込みから、すれ違いが始まっていくことも往々にしてあるのではないでしょうか。
イギリスの海軍軍人、トーマス・スプラットのこんな名言があります。
結婚生活の破綻は、ちょっとした心遣いを忘れるとことから始まる。
トーマス・エイベル・ブリメイジ・スプラット(1811–1888/イギリスの海軍軍人・地質学者)
すれ違いから悲しい結果になる前に、日頃から相手に感謝の気持ちだけでなく、自分の気持ち・意見を伝えることを心がけていきたいですね。
まとめとして

言葉は、良くも悪くも、自分や相手の人生を変える可能性を秘めています。
ときに言葉は無力であり、「言っても無駄」「言っても変わらない」と思うこともありますが、それでもいつか「あの時の言葉に救われた」というようなことが起きる可能性だってあります。
どんな言葉であれ、自分が発した言葉は全て自分に返ってきます。言葉の可能性を信じ、少しでもポジティブな言葉を選んでいきたいですね。