【宇治の穴場スポット】萬福寺(まんぷくじ)で異国情緒を味わう



京都市内から宇治市へは電車で25分。

京都へ旅行される方は多いと思いますが、宇治まで足をのばす方はそう多くないのではないでしょうか。

ですが宇治にも、たくさんの魅力溢れる観光地や世界遺産、また重要文化財に指定されている建築物があります。

今回は宇治市にある観光地の中でも、穴場スポットである黄檗宗大本山(おうばくしゅうだいほんざん)「萬福寺(まんぷくじ)」をご紹介します!

日本三禅宗の一つ【黄檗宗】

日本でいう禅宗といえば、「臨済宗」「曹洞宗」がよく知られていますが、実は「黄檗宗」も日本三禅宗の一つとして数えられています。

黄檗宗は1661年、中国の僧である隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師によって開創されました。

隠元禅師は黄檗宗を開いただけでなく、その名がついたインゲン豆西瓜(スイカ)・レンコン孟宗竹(たけのこ)煎茶などを日本に伝えたとされています。今の私たちの食卓に欠かせないものばかりですね。

萬福寺の建造物は中国明朝様式を取り入れ、【伽藍配置】という配置形式となっています。

日本の他の寺院ではあまり見かけないデザインや技法が用いられていて、異国情緒あふれる景色を見ることができます。

また境内はとても広く、当時の禅宗の力の大きさを感じさせられます。主要建物23棟、回廊、額などが国の重要文化財に指定されており、見どころ満載なんです。

境内にあるマップ

 

大雄寶殿(だいおうほうでん):萬福寺の本堂であり、最大の伽藍。

蛇腹天井(じゃばらてんじょう):龍の腹が表されている。黄檗天井ともいう。

卍くずしの勾欄(こうらん):他に「卍の勾欄」もあります。

仙人の鬼瓦(※萬福寺HPより転載)

開梆(かいぱん):木魚の元となった魚板。口にくわえている玉は「煩悩の玉」と呼ばれ、魚板を叩くことで煩悩を吐き出させるという意味もあったそう。

黄檗宗の教え

黄檗宗には【正法眼蔵(しょうほうげんぞう)】という考えがあります。これは、人は生まれつき悟りを持っており、その真理にたどり着くためには、自分自身の心に向き合うことが大切だと説いています。

現代の日本人は、無宗教の方がほとんどだと思いますし、考えや価値観もひとそれぞれ。

多種多様な世の中ですが『自分自身の心に向き合う』という贅沢な時間は、忙しい現代人にも必要なのではないでしょうか。

隠元禅師がまつられている開山堂

まとめとして

今回ご紹介した建築物もほんの一部。境内を細かく見ると優に1時間以上はかかります。しかし京都や奈良にある寺院とは、また違う雰囲気が感じられます。

穴場スポットなので、混み合うことなくゆっくり楽しむことができますよ。

創建当初の姿を、そのまま今に残す萬福寺。300年以上もの長い歴史を持つ空間で、ふと立ち止まってみるのもいいですね。

黄檗宗大本山 萬福寺

  • 京都府宇治市五ケ庄(ごかしょう)三番割34 / ☎︎0774-32-3900
  • 拝観時間 9:00〜17:00(受付/朱印所/売店は16:30まで)
  • 拝観料 大人500円/中学生以下300円
  • JR奈良線「黄檗駅」/京阪宇治線「黄檗駅」ともに下車徒歩5分
  • 駐車場あり 最初の90分500円/超過30分毎に200円