縄文文化体験/「東京都埋没文化財センター」で縄文時代にタイムスリップ



現在、日本では「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界文化遺産登録を目指す取り組みが盛んになっています。そして、ここ数年、1万年以上に及ぶ平和が続いた縄文時代と、その文化への人気がじわじわと高まっており、歴史が好きな歴女、その中でも縄文時代の土偶に恋する土偶女子も増えています。

今回は大人から子供まで、気軽に縄文時代の土偶・土器・暮らしの様子にふれる事ができ、縄文文化を身近に感じる事ができる「東京都埋蔵文化財センター」をご紹介します。

縄文文化を体験できる「東京都埋蔵文化財センター」

東京都埋蔵文化財センター

「東京都埋蔵文化財センター」は、東京都内の埋蔵文化財の調査・研究を行う施設で東京都多摩市にあります。屋内には展示ホール体験コーナーがあり、縄文土器など多摩ニュータウン遺跡から40年間かけて発掘された、とても価値のある展示物がたくさんあります。

そして屋外には、縄文時代の集落跡に当時の住居や自然環境を復元した遺跡庭園「縄文の村」があり、縄文時代の村の景色の広がりを体感する事ができます。縄文好きや土偶女子ではなくても、一押しのスポットです。

こんなに充実した施設なのに入館料無料には驚きです。

展示ホール/多摩ニュータウンのヴィーナスのお出迎え

多摩ニュータウンのヴィーナス(縄文時代中期前半)
丘陵人(おかびと)の肖像
年度ごとに変わる企画展示
常設展示・縄文時代に使われた石器
常設展示・縄文時代・年代別の展示資料

展示ホール入り口では2009年にイギリス・大英博物館で開催された「土偶 The Power of DOGU」でも展示され人気を博した「多摩ニュータウンのヴィーナス」「丘陵人の肖像」が出迎えてくれます。ヴィーナスの優しい表情に癒されます。

展示ホール内には、年度毎に変わる企画展示と旧石器時代・縄文時代(前期・中期・後期)・弥生時代・古墳時代・奈良時代・平安時代・鎌倉時代・室町時代・江戸時代と、約32000年前〜江戸幕府成立までという、大変長期にわたる時代ごとの貴重な資料と当時の生活ぶりを想像できる解説によって構成される常設展示があります。常設展示はとくに縄文時代が充実しています!!

常設展示・ミニチュア土器

展示される縄文土器の中には、ミニチュア土器もあります。サイズは5〜10cm程度でしょうか。「まつりや儀式に使われたのかな?」それとも「土器職人が将来の為に子供に練習で作らせたのかな?」などと空想していると、太古の人々が作った道具たちが悠久の時を超え、縄文の世界へ誘ってくれます。

体験コーナー

体験コーナー・縄文土器の模様づけ
土器に模様をつける道具
麻ひもを転がすと
縄文土器でよく見る模様がつきました

体験コーナには、子供たちが楽しんで縄文時代を学べる、土器の模様つけ・火おこし体験・発掘土器の復元パズルなどが設置されています。

縄文ファッション

縄文時代の服装を再現
ナチュラル感のあるタグにセンスを感じます!売れそう!!

縄文時代の再現した服と装飾品が展示されています。すごく着心地が良さそうで、ナチュラルな雰囲気が良いですね。縄文人はきっと自然と調和のとれた暮らしをしていたのでしょうね。

保存されている土器

圧倒的な数の土器
蛇の装飾が施されている土器
小さな穴がいくつも開けられている土器
複雑な模様の施された土器

保存されている縄文土器の数に圧倒されます。ガラス越しですが、たくさんの縄文土器を眺めていると、その技術力の高さと芸術性の高さに驚かされます。

岡本太郎(1911〜1996 日本の芸術家)は縄文文化にふれこのように反美学的な、無意味な、しかも見る者の心情を根底からすくいあげひっくりかえす、とてつもない美学が、世界の美術史を通じて見られるでしょうか」と発言しています。

縄文土器や土偶を見ていると心に響く何かがあり、岡本太郎の言葉がわかる気がします。

遺跡庭園「縄文の村」

縄文の村入り口

遺跡庭園「縄文の村」は展示ホールから出てすぐの場所にあります。

縄文の村には5000年前の村の周辺環境を調査し、コナラ・クルミ・とちのき・クリ・クヌギといった樹木や野草50種類以上を植え、当時の森を忠実に再現した「縄文の森」。年代別に分けて復元された3棟の住居竪穴住居の模型湧き水を汲んでいた水場が復元されています。

「縄文の村」は見て歩くだけでもタイムスリップしたような気持ちになり十分に楽しめます。

入り口近くにある敷石住居(4500年前)
前期竪穴式住居(6500年前)
前期竪穴式住居の広い内部
中期竪穴式住居(5000年前)
中期竪穴式住居・内部の様子

縄文時代の住居の年代毎の違いを比較できるのが楽しいです。見た目の美しさはもちろんですが、内部も思いの外広く、生活しやすくする工夫が多々施されています。いつの時代にもクリエイティブな発想を持つ人がいるということに感動です。

湧き水をためる水場

この水場は周囲の開発により現在は水脈が切れていますが、昭和の終わり頃までは、どんな日照りの際も湧き水が枯れることがなかったようです。江戸時代から続いていた農家さんも昭和の頃まで実際に使われていたそうです。

豊富な水がある所に、人々が生活の拠点を築くのは、いつの時代も変わりませんね。

5000年前の森を再現した「縄文の森」

縄文時代の景観を体験できる「縄文の村」。復元された3棟の住居内では、防虫・防腐を兼ねて日替わりで火焚きが行われているそうです。運が良ければ火焚き中の縄文時代の住居が観れるかもしれません。

まとめ

今から約1万5000年〜2300年前まで、1万年以上続いた縄文時代。

現代に生きる私たちとは大きくかけ離れた時代ですが、「東京都埋蔵文化財センター」では、当時の人々が作った土器や土偶をこんなに近くで見ることができ、生活の様子も体験することができました。

「東京都埋蔵文化財センター」は時代を越えて楽しめる素晴らしいJOMONスポットでした。

  • 東京都埋没文化財センター
  • 開館時間 9:30〜17:00(縄文村は11月〜2月まで16:30閉園)
  • 休館日 年末年始(12月29日〜1月3日)/展示替えの臨時休館期間(3月初旬〜中旬)
  • 入館料 無料
  • 住所:東京都多摩市落合1-14-2

  • アクセス:「京王多摩センター」駅より徒歩5分/「小田急多摩センター」駅より徒歩5分/「多摩センター」駅より徒歩7分
  • 駐車場:無料駐車場5台あり